Oracle Database@Azureとは

技術者が語るMicrosoft Azure

Oracle Database@AzureはMicrosoft AzureとOracle Cloud Infrastructureを組み合わせた最新サービスです。
2023年に米国東部リージョンにおいて一般提供が開始され、2024年には東日本を含む多くのリージョンでも利用可能となる予定です。
今回はOracle Database@Azureの機能と特長について紹介します。

1.Oracle Database@Azureとは

Oracle Database@Azureは、Microsoftのデータセンター内に併設されたOracle
Exadataにより、Oracle Cloud Infrastructure(以下OCI)上で稼働するOracle データベースサービスをMicrosoft Azure(以下Azure)から利用できるというサービスです。
これにより、Oracle Database@AzureサービスからAzureリソースおよびアプリケーションへ最速のアクセス等が可能になります。

2.従来の方式との違い

AzureとOCIはこれまでにも、各クラウド間を高速ネットワークで接続するサービスである「Oracle Interconnect for Azure」や、その機能をさらに拡張しAzure上からOCI上のOracle Databaseを容易に利用できる「Oracle Database Service for Azure」を提供していました。

しかしこれまでのサービスでは、AzureとOCIはあくまで別々のサービスとしてそれぞれのデータセンターで稼働しており、独立したものでした。
今回の「Oracle Database@Azure」ではより進化し、AzureがOCIを包括するような密接な関係へと強化されています。
「Oracle Database@Azure」を利用する主なメリットについては次章で紹介します。

3.Oracle Database@Azure利用のメリット

Oracle Database@Azureを利用する主なメリットは下記の通りです。

運用・管理面のパフォーマンス向上

Azure、OCIが一つのサブスクリプションで管理されることによる管理の容易性に加え、同一データセンター内で他Azureサービスと接続されることによる高パフォーマンス・低レイテンシのメリットがあります。
また、Azureネイティブの管理方式が利用できるだけでなく、OCIと連携することでセキュリティパッチの適用やインフラストラクチャの更新も可能になるなど、2つのサービスの特徴も継続して利用することができます。

Azure・OCIの複合利用による移行・最新化の実現

Azure・OCIの複合利用によるクラウド移行や、AIサービス等の最新テクノロジーの使用による新たなクラウドネイティブアプリケーションの構築が実現できます。

購入・契約プロセスの簡素化

Azureサブスクリプションに統合されることにより、従来ではOCI、Azureそれぞれで請求が発生していたものが、Azureサブスクリプションの請求に一本化されます。
また、Oracleのライセンス持ち込み(BYOL)やOracle Support Rewardsプログラム等の既存のOracle Databaseライセンスにおける特典も利用可能です。

4.対応リージョン

現時点(2024年8月時点)での対応リージョンは以下の通りです。
Autonomous Database Serviceは現時点で米国東部リージョンでのみ利用可能なサービスとなっています。

Azureリージョン 利用可能なサービス
Oracle Exadata Database Service Oracle Autonomous Database Service
米国東部
ドイツ中西部 ×
フランス中部 ×
イギリス南部 ×
オーストラリア東部 ×

5.おわりに

今回は、Oracle Database@Azureについて紹介しました。
Oracle Database@Azureの利用により、Oracle Exadata Databaseを最高レベルのパフォーマンスで使用しながらAzure内で完結したシステムを構築できます。
現時点ではExadataが主な対象ですが、購入・管理の面でも複雑さを低減できるので、AzureとOracleを併せて利用したい、Oracleからの移行ハードルが高い、といった場面では有力な選択肢となるのではないでしょうか。

システムエグゼではAzure、データベースで多くの実績を持ち、「Microsoft Azure導入・運用支援」などのソリューションも提供しています。
Oracle Database@Azureの利用をご検討の際にはお気軽にご相談ください。