機械学習とBIツールでデータ可視化してみた<構築編>

データ活用ことはじめ
「BIツールから機械学習を実行し、可視化する」
――社内に眠っているデータを活用し、過去の分析だけにとどまらず、未来を予測する。そんなケースが増えてきました。
機械学習では、裏で膨大な計算をさせるためにチューニングに奮闘したり、デー タベースから機械学習用基盤にデータを送る仕組みを構築したり… メインの機械学習をさせるまでには様々な作業が発生します。
そんな作業を一気に解決してくれるのが「Oracle Autonomous Data Warehouse」 です!
「Oracle Autonomous Data Warehouse」では、チューニングやスケールイン/スケールアウトなどを自動で行い、”データベースとして”、”機械学習用基盤として”の両側面で使用することができるため、機械学習を行うまでの事前作業を大幅に削減することができます。
そこで本ブログでは連載形式で、データベースにOracle Cloud の「Autonomous Data Warehouse(以下、ADWと表記)」、BIツールに”ADW対応”、かつ、”豊富な表現力でデータドリブンを可能とする”「MotionBoard」(MB)を使用した、機械学習を検証していきます。
今回は環境準備編として、MotionBoard から ADW を参照させるところまでをご紹介します。
1.検証環境
ADW
Oracle Cloud Free Tierでクラウドアカウントを作成し、ADW を構築
Motion Board
オンプレミス環境 (Windows) に MotionBoard 6.1 をインストール
2.手順
1.Oracle Cloud Free Tier でクラウドアカウントを作成
https://www.oracle.com/jp/cloud/free/
にアクセスし、「今すぐ始める(無償)」から情報を入力するだけで簡単に作成できます。
注意点は、
- 電話番号の最初の0を除くこと
- 住所に日本語が含まれるとクレジットカード認証が通らない
くらいです。
無償版と言えど、クレジットカード情報の入力はありますが、明示的にアカウントをアップグレードしなければ費用は発生しないようです。
この Free Tier では30日間無償トライアルが終わっても、そのまま使えるサービスもあります。今回作成する ADW も設定制限はあるものの、30日が過ぎてもそのまま使えます。ストレージは20GBで作成できるので、少量のデータで簡単に検証するには十分だと思います。
2.Oracle Cloud 上に ADW の作成
さっそく1で作成したアカウントにログインします。「ADWデータベースの作成」をクリックします。
入力フォームに従って情報を入力していきます。
デプロイメント・タイプの選択では共有インフラストラクチャを選択します。専用インフラストラクチャを選ぶとパッチ適用のタイミングを選択できたりメリットはありますが、その分コストも高くなります。
また、今回は30日後も使える環境にしておくため、「AlwaysFreeの構成オプションのみを表示」にし、設定を行っていきます。
なんとこれだけで ADW が作成できてしまいました!作成が完了すると ADW の文字の背景が緑になります。
3.MotionBoard から接続
まずは ADW 接続用のウォレットを Oracle Cloud の画面から作成します。
また、今回は MotionBoard から接続するユーザ「ML」を作成し、進めていきます。SQLの発行は手っ取り早く、Oracle Cloud の画面から SQL Developer Web を立ち上げて実行していきます。
MotionBoard にログインします。
右上の「管理」>「システム設定」>「接続/認証」>「外部接続」を選択します。
「新規作成」を選択します。
任意の「外部接続名」を入力し、接続先タイプを「Oracle」にし、「新規作成」をクリックします。
画面に従って入力していきます。
サービス名は、今回は簡単な検証なのでlowを選択します。
ドライバタイプで「Oracle Autonomous(JDBC)」が表示されない場合は、MotionBoard の製品メディアから「oracle_autonomous.zip」をインストールフォルダに配置し、読み込ませます。
4.実行確認
カスタムビューのタブに遷移し、「新規作成」を選択、SQLを発行し、「実行確認」を押下してみます。
select * from SH.PRODUCTS
※SH は Oracle のサンプルスキーマです。ADW を作成するとサンプルをインポートしなくても使えるようになります。
結果が返ってきました!これで ADW と MotionBoard の接続ができました。
次回は実際にデータの可視化や機械学習を検証していきます。