【BI入門】BIツールの機能とメリット

データ活用ことはじめ

昨今、「BI」「BIツール」という言葉をよく目にされると思います。
当社のコラムでもこれらの関連記事を多数掲載していますが、「BIという言葉は聞いた事あるけどよく分からない」または「BIって何?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そんな「よく分からない」という方向けに、「BIとは何か」という基本的なところから、「それを活用することでどんな利点があるのか?」を、システムエグゼBIソリューション部のメンバーが解説します。

1.BIとは

BIとは「Business Intelligence」の略称です。
1989年にガートナーグループのアナリスト、Howard Dresner氏が、「“ビジネスインテリジェンス”とは、“事実をベースとした支援システムを使用した、ビジネス上の意思決定を進化させるための、概念と手法”を指す包括的用語である」と提唱しました。

企業は日々、様々な情報(営業、販売、人事、経理、財務…etc)を蓄積しています。
こういった膨大なデータを集約・集計・加工し、分析することで、「強み」「弱み」「今後どうするべきか」が見えてきます。
この商品は雨の日の売り上げが良い、Aを買った人はBも買う確率が高い、この時期は売り上げが悪い…など、データ分析により原因が掴めれば、業務改善に繋げることができます。
このように、蓄積したデータの分析結果を会社経営の意思決定に活用することをBIと言います。

2.BIツールとは

上述した「企業の蓄積した膨大なデータを分析」を助ける製品の総称がBIツールです。

基本的な機能

BIツールには様々な製品がありますが、基本的な機能としては以下のようなものがあります。

●OLAP(多次元)分析機能

主に売上報告、市場分析、経営報告、予算作成、財務諸表作成等に利用される機能です。
企業が蓄積している様々なデータを「期間」「店舗」「商品」「価格帯」といった複数の軸を持つ多次元分析モデルに変換しておき、短時間で視覚的にデータを分析し表現する事ができます。
例えば「期間」の軸から分析範囲を年単位、月単位に切り替えたり、「店舗」「商品」の軸から特定の店舗や商品に絞り込んだりできます。

●データマイニング機能

情報システムが蓄積する膨大なデータに対して、統計学やパターン認識などの技術を使用して、パターン・予測といったデータ分析により、活用できそうな情報を抽出する機能です。
最近では、AI(人工知能)の機能を活用したものも出てきています。
企業が日々蓄積しているデータには、業務改善やビジネスチャンスに繋がる法則が存在しているはずです。
そういった情報を採掘(マイニング)する事ができます。

●レポーティング機能

BIツールには色々な分析モデルが搭載されていますが、膨大なデータに対してそれらが分析した結果を見やすく表示する機能です。
対話型の操作で、ユーザが必要とする情報を複数の軸から組み合わせて表示する事ができます。
データ分析結果を関係者が確認し、議論や検討に必要な資料のWebレポーティングに対応し、PDF、Excel、CSV、Word、PowerPointなどのファイル出力も可能です。

●ダッシュボード機能

OLAP(多次元)分析、データマイニング、レポーティングの結果を、例えば「月別の売上」「商品別の売上」「支店別の売上」「目標達成率」などの表やグラフにし、BIツールやブラウザの画面上でそれらを好きなように組み合わせて、専用のダッシュボードのように1つの画面にまとめて表示する事ができます。
表示する情報は経営者や部門ユーザなど、ユーザの立場に応じて柔軟に変化させる事ができます。

利用形態

次に利用形態です。自社のサーバにインストールして使用する「オンプレミス型」と、インターネット上のBIツールのサーバにアクセスして使用する「クラウド型」があります。
それぞれメリットとデメリットがありますが、概ね表裏一体の関係となっています。
それぞれの特徴は以下の通りです。

●オンプレミス型

自社内にシステムを構築し、自社内の設備で運用する形態です。
ハードからソフトまで自社で占有できるため、カスタマイズなど自由なシステム構築が可能です。
ハードウェアの管理やセキュリティ対策、新機能の導入、セキュリティパッチの適用などといった作業も自社で行う必要があるため、ランニングコストが大きくなる可能性もあります。
全てのシステム基盤が社内で完結する、イントラに留めておけるという点は、経営者にとっては安心できる材料ではないでしょうか。

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●クラウド型

インターネット経由でサービスを利用する形態です。
ハード、ソフトを自社で調達する必要が無いため、初期費用が安く済み、利用まで時間がかからないというメリットがあります。
サービスによっては利用できない機能があるため、自社に必要な要件が完全に満たせない可能性があります。

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3.BIツール導入のメリット・デメリット

BIツールは、迅速かつ精度の高い意思決定を助けるツールで、現状の正確な把握と、問題点や課題の発見に大いに役立ちます。
しかし、導入に際して、やはりメリットとデメリットがあります。
BIツールのメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

●膨大なデータを集約・分析できる

企業が持つ膨大かつ様々なデータを1か所に集めて分析・レポーティングできることが、最大のメリットになります。
ただの数字にすぎなかった累積データも、BIツールを使用すればグラフや表の形に見やすく可視化することができ、迅速かつ正確な経営判断が可能となります。

●問題点や課題が早期発見できる

上記にもあるように、BIツールの分析結果から問題点や課題を発見しやすくなります。
会社経営の問題点・課題を早期発見し、迅速な対応で早期解決が図れることも大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

●レポート作成の手間と時間が削減できる

レポートの作成にかかる手間と時間を削減できるということも大きなメリットではないかと思います。
今まで手作業で行っていた各種データの集計や資料に落とし込むといった作業も、BIツールを活用することで、手間をかけずに表やグラフを用いたレポートにすることが可能です。

デメリット

●導入時の設定が必要になる

BIツールで社内の膨大なデータを集計・分析するために、どのデータをどのように連携するのか検討し、設定しなければなりません。
ここでどのデータをどのように分析したら良いか分からず、結局使われずに失敗に終わってしまった…という例もあります。
しかし、どんなツールにも設定は必要ですし、製品ベンダーによってはサポートが充実していて、導入に関する質問や相談ができます。

●費用がかかる

当然かもしれませんが、BIツールの導入にはそれなりに費用がかかります。
企業が利用できるようなレベルの機能を持った無料のBIツールは無いと思っていいでしょう。
もしあったとしても、扱う情報は機密レベルが非常に高いものになると思いますので、おいそれと無料のサービスに渡すことはリスクも伴います。
企業として、それは避けるべきでしょう。

4.おわりに

いかがでしたでしょうか。
「BIとはどんなものなのか?」「何ができるのか?」という方の参考に、少しでもなれば幸いです。

このコラムとは別の切り口でのご説明や、実際にどのような製品があるのかのご紹介、導入・運用までの流れについては、当社コーポレートサイトのBIソリューションのサイトに記載しています。
是非ご覧下さい!

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