第7回:マネージドデータベース(PaaS)のコストシュミレーション
情シス担当者向け・他の会社はどうしてる?DBお悩み相談
クラウド環境へ移行お客様が増えてきており、データベースは当初はIaaSが多かったのですが、マネージドデータベース(PaaS)を採用するケースが増えてきました。
そこで、「Azure」「AWS」「Oracle Cloud」について利用料の観点で比較をしてみました。
※調査日:2020年6月時点
目次
1.最小構成比較(月額:730時間)
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2.同等構成比較(月額)
- CPU:4vcpu、メモリ:16GiB
- データストレージ:300GB
- バックアップストレージ:2100GB(300GB×7日)
- ネットワーク(インターネットへの転送料):月500GB
- データベースはAzureとAWSはPostgreSQL、Oracle Cloud はOracle Database SE
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3.考察
- コンピューティングはOracleCloudがOracleDatabaseしかPaaSとして選択できないため、Oracle Cloudと比較しAWSとAzureが同程度の費用感で安い
ーAzureは内部的に冗長化(HA)がオプションとして含まれている
ー最小構成はAWSが一番安い
ーOracle Cloudは全てのOracleDatabaseエディションでデータの暗号化を標準実装
- ストレージは、OracleCloudが圧倒的に安いが、バックアップストレージは1世代分まではAWSとAzureは無償
ーバックアップ世代数が1世代であってもOracleCloudが安くなる
【Oracle Cloud】データ:0.0255 USD+バックアップ:0.0255 USD =【Oracle Cloud】0.051 USD < 【AWS・Azure】0.138 USD
※データストレージ1GBとバックアップストレージ1GB
- ネットワークは、それぞれ無償枠はあるがOracle Cloudの無償範囲が10TBと広く、データ連携や転送が必要なケースは優位性が高い
- データベースを利用するために必要な利用料の合計は、上記の条件下で算出した場合には、3社とも大きな費用差は無い
ー利用されるシステムのデータ量とネットワーク通信量、データベースエンジンの指定の有無により3社で価格差が発生する
今回の比較項目において各PaaSのコストにポイントを置いた有効な利用用途は下記の通りと考えます。
Azure |
データ容量とネットワーク通信量が少なく、可能な限り最低コストにしたいが、DBサーバーは冗長化構成で利用したい |
---|---|
AWS |
データ容量とネットワーク通信量が少なく、可能な限り最低コストでデータベースを利用したい |
Oracle Cloud |
データ量とネットワーク通信量が多い |
実際には、データベースサービスに付随するサービス(レプリカ、DR、バックアップなど)やアプリケーションサーバーなどの周辺サービスを加味した総合的な判断から選定する必要がありますが、最適なDBの構成で悩まれている方がいらっしゃれば、気軽にお問い合わせください。