生成AIを日常業務に活用 ~システムエグゼの取り組み~

システム開発の基礎知識

システム開発の基礎知識

世界的に利用が急拡大している生成AI。
ビジネスシーンでも、多くの企業が業務に生成AIを活用し、生産性の向上を図ろうとしています。
システムエグゼでも2024年の試験導入を経て、2025年から生成AIの本格展開を開始しました。
2025年10月現在で、利用率は70%に達しています。
本記事では、システムエグゼの生成AI活用事例をご紹介します。

1. 生成AIの全社展開の規模と実績

システムエグゼでは、全社員にOpenAI APIキーを標準配布しています。
さらに、Google GeminiやAnthropicのAPIキーも配布リクエストがあれば誰でも利用可能です。

社内用生成AIツールである「SmileCHAT」を中心に、GPT-5やGemini 2.5 Pro、Claude Sonnet 4.5といった最新モデルを日常業務に組み込み、開発効率の向上を図っています。

2025年10月末現在、協力会社やオフショアを含む約1000名が生成AIの利用を開始しています。

そのうち700名が日常的に利用しており、利用率70%という数字が示すように、生成AIは特別なツールではなく、日常的な業務ツールとして定着しています。

利用状況の内訳

項目 人数 割合
利用開始者 約1000名 100%
日常的利用者 約700名 70%
Vibe Coding利用 約100名 10%

2. SmileCHATとVibe Codingによる業務支援

SmileCHATは、アーティファクトパネル経由でリアルタイムなコード検証やドキュメント生成を支援する中核ツールです。

また、SmileCHATはGitHub統合機能が実装されており、GitHub上のリポジトリの内容をRAGとして扱えるため、プロジェクトのコンテキストを踏まえた的確な支援が可能となっています。

一方、エージェント主導の開発スタイルである「Vibe Coding(Agentic Coding)」は、全体の約10%が利用を開始しています。

導入の敷居は高いものの、自立度が高くさまざまな問題に対処可能なため、データ駆動開発や仕様駆動開発でも実案件での採用が進められています。

Vibe Codingツールの選択状況

システムエグゼでは、開発者が好きなツールを自由に選べる環境を整えています。

ツール 利用率 特徴
Codex 約4% GPT-5
Claude Code 約3% Claude Sonnet 4.5
Roo Code 約3% 各種APIキーで利用
その他 Cursor、GitHub Copilot等も利用可能

開発者は各ツールにコマンドラインから簡単にアクセスでき、好みや用途に応じて自由に選択可能です。

GitHub Copilotなども含め、自分の開発スタイルに合ったツールを選択できる柔軟性が、継続的な利用につながっています。

3. 生成AI活用に向けた階層別研修とコミュニティ活動

システムエグゼでは、生成AIについて階層別の研修プログラムを整備しています。

新卒向けには2025年4月に3日間の生成AI集中研修を実施し、SmileCHATやVibe Codingの基礎から業務適用までを学習しました。

研修の成果として、新卒48名のうち37名(77%)が既に実務でSmileCHATを活用しており、約8%がVibe Codingを普段から利用しています。

入社2年目を対象とする研修では、生成AIを組み合わせたGitHubフローからAWS ECS/FargateへのCI/CDパイプラインの構築を学んでいます。

ベテラン層にもリスキリングを目的としたVibe Coding研修を用意しています。

社内コミュニティではエージェント連携、MCP活用などに関する研究会やハッカソンが定期的に開かれ、現場の知見が活発に共有されています。

4. GitHub活用と生産性向上

開発インフラの面では、GitHubを公式社内システムとして採用し、Organization配下でのリポジトリ運用を行っています。

統一的なリポジトリ管理により、各種Vibe Codingツールとの連携がスムーズに行われ、開発効率の向上に貢献しています。

実際に、生成AI利用者では生産性向上が確認されており、SmileCHATとVibe Codingを組み合わせた環境が、開発速度と品質の向上につながっています。

5. マルチベンダー戦略の採用

生成AIに関するシステムエグゼの特徴的な取り組みは、OpenAI APIキーを全社員に標準配布し、Google GeminiやAnthropicのAPIキーも配布リクエストがあれば誰でも利用可能にしている点です。

柔軟な運用により、各タスクに適したモデルを選択でき、特定ベンダーへの依存を避けています。

開発ツールについても同様の方針で、Codex、Claude Code、Roo Code、Cursor、GitHub Copilotなど、開発者が自分に合ったツールを自由に選択できる環境を整備しています。

6. まとめ

システムエグゼでは生成AIについて2024年に限定的な試験導入で効果検証を行い、その成果を踏まえて2025年から協力会社・オフショアを含む本格展開を開始しました。

SmileCHATを中心とした支援体制、マルチベンダーAPIキーの柔軟な配布、階層別研修とコミュニティでの知見共有、利用状況に応じたプラン提供、GitHubベースのワークフロー、そして開発者の自由なツール選択。

これらの運用が相乗効果を生み出し、利用率の向上につながったことから生成AIが日常業務の標準ツールとして定着しました。
システムエグゼでは、生成AIをはじめとする最新技術を積極的に活用し、エンジニアの成長と働きやすい環境づくりに取り組んでいます。

こうした技術環境で共に成長したい方、ぜひ新卒採用ページまたはキャリア採用ページをご覧ください。