業務効率化とは?システム開発で解決する課題と成功事例

システム開発の基礎知識

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昨今のビジネスを取り巻く環境は、急速な技術革新とグローバルな競争によって、ますます複雑さを増しています。
このような状況下で企業が成功を収めるためには、業務効率化またはその向上が不可欠です。
業務課題を解決するためにいくつかのツールを比較し検討したり、業務プロセスを一から見直して改善を図っていたりと、模索している企業が多くあるでしょう。

業務の効率を上げることで、会社全体の生産性を向上させ、業務におけるストレスを軽減し、最終的には企業の競争力を強化することができます。

本記事では、業務効率化の定義やそのメリット・デメリットをご紹介し、その上で実践するための具体的な方法や成功事例をご紹介します。

1.業務効率化とは? よくある業務課題

業務効率化とは、企業や組織の業務プロセスを見直し、改善することで、時間やリソースをより効果的に活用し、最小の投入で最大の成果を達成するための取り組みを指します。
主な目的は、無駄を減らし、生産性を向上させることです。

業務効率化についての課題は、企業規模や業界業種ごとにさまざまです。
企業ごとに持っている課題はそれぞれ違いますが、いくつか代表的な事例をご紹介します。

  1. 製造業における自動化
    製造業では、工場勤務の労働者の人手不足や少子高齢化により、限られた要員でいかに効率的に製造を続けていくかが大きな問題となっています。
    工場業務の自動化は、作業時間を短縮し製品の不良率を低下させることに成功しました。
    またロボットアームや機械学習を活用し、単調な作業の自動化も進んでいます。
  2. オフィス業務のデジタル化
    企業のバックオフィスの人員は限られていますが業務内容が広範囲に渡るため、一人にかかる業務負担が大きくなってしまっています。
    ペーパーレス化を推進し、クラウドベースのドキュメント管理システムを導入したことで、従来の紙ベースの書類管理をデジタルに移行することができます。
  3. カスタマーサービスのチャットボット導入
    ある通信会社の顧客対応では問い合わせ件数が増えると、お客様をお待たせしてしまったり、つながりにくかったりすることに課題を感じていました。
    そこでAIチャットボットを導入し24時間365日お問い合わせ対応を自動化し、顧客対応のスピードアップを実現。
    またオペレーターは複雑な案件のみへアサインし、人的リソースの開放も実現しました。

2.業務効率化のメリット、デメリット

業務効率化は、企業や従業員への影響、すぐに効果が出るものから出ないものまでさまざまあります。
本章では、業務効率化の主なメリット・デメリットについてご紹介します。

メリット

  1. 生産性の向上
    プロセスの無駄を削減すれば、より少ないリソースでより多くの成果を得ることができます。
  2. コスト削減
    無駄な作業を削ることで、コストの削減につながります。また人的リソースの最適化やエネルギーの節約も実現可能です。
  3. 従業員の満足度向上
    単調な作業の自動化によって、従業員はより意義のある仕事に集中できるため、従業員の仕事に対する満足度の向上が期待されます。
  4. 競争力の強化
    効率的に業務を行うことで、市場の変化にも迅速に対応でき、企業の競争力を高めることができます。
  5. 品質の向上
    効率的なプロセスは単純なミスやエラーを減らし、一貫した高品質な成果を提供します。

デメリット

  1. 初期導入コスト
    プロセス改善や新しい技術の導入には初期投資が必要不可欠です。
    また、新しいシステムへの移行に伴う社員へのトレーニングコストも考えられます。
  2. 従業員の抵抗
    人によっては、変化に対する抵抗が生じる場合があります。
    新しい業務フローやツールに対する理解不足や不安があることも考慮しなければいけません。
  3. 過度の効率化
    過度な効率化は、従業員のストレスを増大させてしまいます。
    また創造性や柔軟性を損なう危険性も考えられます。
  4. 技術依存リスク
    自動化に依存しすぎると、技術の障害やトラブルが発生した際に業務が停滞するリスクがあります。
    全てを自動化に頼るのではなく、仕組みを正確に理解しトラブルがあった際の対策をしっかり準備しておくことが大切です。
  5. 品質の低下
    不適切な業務効率化策は逆効果を招き、最終的なプロダクトやサービスの品質を低下させる可能性があります。

業務効率化を進める際は、メリットとデメリットを慎重に評価し、全体的なバランスを取ることが重要です。
また、従業員の意見を取り入れつつ、適切にコミュニケーションを行いながら進めることが成功の鍵となります。

3.システム開発で解決できる業務と成功事例

ここまで業務効率化に関する概念やメリット・デメリットなどご紹介しました。

業務効率化に取り組む際は、プロセス全体を分析して正確な戦略を立てることが重要です。
戦略を立てるうえでポイントとなるのが、社員がより重要かつ煩雑な業務や思考を使うタスクに集中できるようにするためには、どういった業務が効率化しやすいのか見極めることです。

業務効率化が成功しやすい業務を一言で表すなら、「反復性が高く、定型的なプロセスで構成されている業務」です。

具体的な事例を見ていきましょう。

事例1:データ入力作業

定型フォーマットに基づいて大量のデータを入力する作業は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やOCR(光学文字認識)技術による自動化に向いています。

具体的な成功事例

業務内容
社員の勤怠時間や業務日誌の確認

課題
・全ての社員の申請内容を、担当者が人手でくまなく確認する必要があり、業務負荷が高かった
・勤怠管理システム、残業申請時間、業務日誌など複数の画面を見比べる必要があった
・入力ミスがあった場合、本人に電話かメールを行う必要があり、時間を圧迫していた

手法
RPAを導入し自動化
1.ロボットは勤怠管理システムにアクセス
2.残業申請時間を確認し、勤怠管理システムと相違ないか確認
3.業務日誌を確認し、勤怠管理システムと相違ないか確認
4.入力ミスがある場合、該当の社員にメールで通知

効果
・60時間の余剰時間を創出
・正確性が格段に上昇するとともに、不要なメールや電話のやりとりが減少

事例2:請求書や稟議書等の処理

定期的かつ大量の書類を扱う業務は、ペーパーレス化によるデータ管理によって業務効率の向上が期待できます。

具体的な成功事例

業務内容:社内稟議のペーパーレス化

課題
・年間1万枚を超える社内稟議はほとんどが紙であり、紙が社内にあふれていた
・押印をもらうために、店舗からスタッフが本社へ出向いていた

手法
ワークフローシステム導入による紙の電子化
1.社員が使いやすく、見やすいUIのため早期に定着できるシステムを導入
2.Excelベースで使用できるため、マニュアル不要で全社に展開

効果
1万枚の紙/年を削減でき、ペーパーレス化に成功
店舗はタブレットを活用することにより決裁スピードを向上
→押印をもらうための移動工数はゼロへ

4.まとめ

本記事では、業務効率化の重要性やその具体的な方法、成功事例を紹介しました。
業務効率化は単なるコスト削減やスピードアップにとどまらず、組織全体の生産性向上や従業員の満足度向上にも直結する重要な施策です。

実際の成功事例でも分かる通り、自動化やデジタル化を通じて、さまざまな業界業種で大きな成果を得られています。
業務効率化をしていくうえでの便利なツールやシステムは、本記事では紹介しきれないほど他にも多数あるため、業界や企業ごとに合った方法を検討していくことが大切です。

業務効率化は一度で完了するものではなく、継続的な改善が求められます。
ツールやシステム導入による業務効率化をお考えの際には、お気軽にシステムエグゼへご相談ください。