MotionBoardとDatalizer、自社に最適なデータ分析ツールはどっち?

BI技術者の雑記

データの集計・分析ができるツール、MotionBoardとDatalizer。
できることに共通点があるため、どちらのツールがより適しているのか分からない場合もあります。

本コラムでは、2つのツールを比較し、目的別にどちらのツールが向いているかを解説します。

1.はじめに -MotionBoardとDatalizerの決定的な違い-

MotionBoardとDatalizerは、データの集計・分析を行うことができるツールです。
クロス集計表や明細表を利用したレポートの作成は、どちらでも行うことができます。

しかし、この2つのツールには決定的に違うところがあります。
それは、MotionBoardはBIツールであり、Datalizerは集計レポーティングツールであるという点です。

BIツールであるMotionBoardは、多彩なチャートによるデータの可視化や高度な分析、リアルタイムのデータ活用が可能です。
チャートを利用することで、データを数字の羅列に留まらせることなく、直感的に把握できる形で表現が可能です。

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MotionBoardはリアルタイムのデータ活用にも優れており、多様なサービスとの連携による最新データの取得からIoT データの利用まで可能です。
ビジネスチャットやメールでの通知機能も搭載しています。

集計レポーティングツールであるDatalizerは、集計レポートの作成に特化しています。
DatalizerはExcelとWebの2種類が用意されており、目的や利用環境に合わせて選ぶことができます。
使う人の目的に応じた自由な集計・分析が容易に行えます。

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2.目的別比較 -MotionBoard vs Datalizer-

MotionBoardとDatalizerでは、出来ることや得意なことが違います。
この章ではツールの比較を行い、いくつかのケースからどちらがより適したツールなのかを検討します。

なお、DatalizerにはExcel上で動くDatalizer for Excelと、Webブラウザ上で動くDatalizer for Webがあります。
この2つは少し機能が違うため、これ以降は別々に扱います。

①データをチャートで表現したい

クロス集計表や明細表のデータを、棒グラフや円グラフなどのチャートで表現したいケースです。

データを可視化する点においては、BIツールであるMotionBoardに軍配が上がります。
MotionBoardは数十種類のチャートが作成可能で、基本的なチャートだけでなく、WordCloudやサンキーダイヤグラムまで幅広く用意されています。

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一方、DatalizerはExcel・Web共にチャートの作成機能はありません。
Excel上にデータを出力した後、ユーザーが作成する必要があります。

②データを監視し、異常値が出たら知らせてほしい

リアルタイムのデータ活用はMotionBoardの特長です。
ダッシュボードで常に値を監視していなくても、チャットやメールで情報を受け取ることができます。

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③Excelを使ってデータを細かく分析したい

使い慣れたツールであるExcelで、細かく分析を行いたいというユーザーもいると思います。
どのツールでもデータをExcelでダウンロードすることは可能ですが、Excelで細かな分析を行う場合はDatalizer for Excelがおすすめです。

MotionBoardとDatalizer for Webでは、集計を行うごとに毎回Excelのダウンロードを行う必要があります。
しかし、Datalizer for ExcelではExcel上にすぐにデータを出力できるため、動的なグラフを用いたスピーディーな分析が可能です。

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↑条件を変えて再集計すると、元々作成していたグラフも一緒に更新される

集計ボタンを押すだけで、集計された値を元にExcel上で作成したグラフも更新されます。
また、Excelのマクロとの連携も行えます。

④クロス集計表や明細表の作成・操作をできるだけ簡単に行いたい

MotionBoardとDatalizerのどちらでも作成・操作は可能です。
クロス集計表・明細表の作成や項目の表示・非表示を、WebブラウザまたはExcelのみで行うことができます。

しかし、操作の容易さで比較した場合はDatalizer、特にDatalizer for Webが最も簡単です。
直感的な操作が可能で、詳しい操作方法を覚えなくても使用できます。
また、Webブラウザだけで使えるため、Datalizer for Excelとは違い、個々のPCにあらかじめインストールするものはありません。

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↑項目をドラッグアンドドロップで選択

ex.タブレット端末でもデータを見たい

MotionBoardのダッシュボードは、スマートフォンやタブレット端末での閲覧が可能です。
MotionBoardの機能を利用できるアプリケーションMotionBoard Mobileを端末にインストールすることで利用できます。

Datalizerは、Datalizer ExpertにてDatalizer for Tabletが提供されており、タブレット端末からの利用が可能になります。
Datalizer Expertは、ExcelとWebの両機能に加え、Tablet 機能やキャッシュなどが追加されています。
タブレット端末から利用したい場合はDatalizer Expertの選択になります。

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3.比較のまとめ

製品 利用方法 特長 選定ポイント
MotionBoard Webブラウザ
  • データの分析・見える化を行うBIツール
  • 明細表・集計表だけでなく、多彩なチャートが利用可能
  • リアルタイムのデータ表現やメール等でのプッシュ通知が可能
  • 様々なチャートを利用したい場合におすすめ
  • 値の監視やメール通知機能を利用したい場合におすすめ
  • 作成済みのダッシュボードは、タブレット端末で閲覧可能
Datalizer for Excel Excelアドイン
  • Excel上で操作する集計レポーティングツール
  • Excel上でスピーディーな分析が可能
  • Excelの機能を活用できる。Excelマクロとの連携も可能
  • Excel上でデータを細かく分析したい場合におすすめ
  • 利用PCへのDatalizerClientとExcel Pluginのインストールが必須
Datalizer for Web Webブラウザ
  • Webブラウザ上で操作する集計レポーティングツール
  • Webブラウザのみで利用可能、他のソフトウェアは不要
  • 直感的な操作が可能で、簡単にクロス集計表や明細表のカスタマイズが可能
  • Webブラウザで簡単な操作だけで集計を行いたい場合におすすめ
  • チャートはDatalizer for Web単体では作成できないため、MotionBoardと連携させたりExcel出力後に各自で加工したりする必要がある
Datalizer Expert Excelアドイン/Webブラウザ
  • タブレットのWebブラウザによる集計と分析が可能(Datalizer for Tablet)
  • Datalizer for ExcelとDatalizer for Webの両方が使用可能
  • Datalizerの帳票をタブレット端末で見たい場合はDatalizer Expert

目的 データ分析ツール 補足
MotionBoard Datalizer for Excel Datalizer for Web Datalizer Expert *1
データをチャートで表現したい
データを監視し異常値が出たら知らせてほしい
Excelを使ってデータを細かく分析したい
  • いずれのツールもExcelファイルのダウンロードが可能
クロス集計表や明細表の作成・操作をできるだけ簡単に行いたい
タブレット端末でもデータを見たい ○(MotionBoard Mobile) ○(Datalizer for Tablet)
  • MotionBoard MobileはiOS環境、Android環境で利用可能
  • Datalizer for Tabletの対応ブラウザはsafariのみ
  • 動作環境の詳細は公式サイトを参照

*1 Datalizer Expertは、Datalizer for Excel と Datalizer for Web の両方が使用可能。

4.おわりに

今回は、MotionBoardとDatalizerについて、目的別にどのデータ分析ツールが適しているかを解説しました。
それぞれのツールで異なる特長を持っているため、例えばMotionBoardとDatalizerを併用するという選択肢もあります。
また、MotionBoardとDatalizer for Webは体験デモがあるので、操作感を確認してみるのもおすすめです。

本コラムがデータ分析ツール選定の参考になれば幸いです。

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