第3回:仮想化環境のバックアップについて ~2~

第3回:仮想化環境のバックアップについて ~2~

インフラのプロが語る!仮想化のススメ

皆さま、こんにちは。
株式会社システムエグゼ インフラソリューション部の土谷と申します。
3月に入り、長かった冬も終わり、ようやく暖かくなってきましたね。冬の寒さと乾燥にめっぽう弱い私には良い季節になってきてなによりです。
この季節の楽しみといえば、やっぱり「花見」ですよね。新しい季節に映える桜色は本当に清々しいものであり、見ているだけで本当に癒されますね。


昨年は震災の影響もあり、世の中は自粛モード一色でしたが、その反動から今年は「花見」を公私で企画されている方は、かなり多いかと思います。

本当に花見好きの人は、必ずと言って良いほど自分のお気に入りスポットを持っているものだと思いますが、私も花見(酒?)好きということで、お気に入りの場所があります。
私のお気に入りの場所は、・・・埼玉県幸手市にある「権現堂桜堤」という所です。
ここは桜と菜の花畑が1キロ以上に渡って続く関東でも有数の花見スポットです。

非常に見ごたえがあり、満開の時はお酒無しで確実にテンションが上がります!!自粛モードにも関わらず、私は昨年も出掛けてきました。
「備えあれば憂いなし…」ということで、都内にお住まいの方にはかなり遠いロケーションかもしれませんが、「適当な場所が無くて困った」「たまには遠出で家族サービス」…
なんて時のための花見スポットとしてオススメします。土日は臨時駐車場なども周辺にありますが、ある程度混雑するので、平日をオススメします。

というわけで、今回は仮想化バックアップの2回目ということでお話させて頂きます。

VMware Data Recoveryについて

前回のコラムで、仮想環境におけるバックアップ手法にはいくつかのパターンがある旨でお話をさせて頂きました。
今回は、「仮想化製品機能で持つ「スナップショット」機能とバックアップ製品を連携させたバックアップ」の方式カテゴリにあたる VMwareのData Recoveryというバックアップツールに焦点を当て、お話させて頂きます。

VMware Data RecoveryはvSphere 4.0から登場した、ゲストOS用のバックアップツールです。vSphere Essential Kit を除く 全てのvSphereエディションでData Recoveryは標準機能として使用できます。

一般的なバックアップ製品を用意する場合、以下の部分でコストが掛かります。

<某社製品の例>
 ◆バックアップサーバのサーバ筺体
 ◆バックアップ基本ソフトウェアライセンス
 ◆仮想ホスト(筺体)毎のバックアップエージェントライセンス(台数or ゲストOS 毎)


こうした追加コストを発生させることなく、VMwareのvShpereライセンスのみでバックアップ環境を用意できることが、VMware Data Recoveryの最大の強みです。

本ツールを使用することで以下のことが実現可能となります。

・ゲストOSのオンライン、オフラインを問わないバックアップ取得
・重複排除機能によるバックアップスペースの効率利用
・ゲストOSのフルリストア、ファイルレベルリストア
・バックアップ成否などのメール通知

普通にバックアップ、リストアが実現できるだけではなく、最近のバックアップ製品で一般的になりつつある「重複排除機能」や「メール通知」など、 運用観点で有益な機能を簡単に利用できる点も見逃せません。このあたりの機能は商用バックアップツールと遜色ないレベルであると考えます。

一方でイマイチな点もあったりします。

1) テープ装置をバックアップ取得先にすることができない
2) バックアップスケジュール機能が貧弱
3) プリ・ポストスクリプトのバックアップジョブ連携が面倒

1)については、Data Recoveryの仕様で、バックアップ先として使用できるのはファイルシステム(VMFS、NFS、CIFS)に限定されています。
ネットワーク上のファイルシステムにバックアップを取ることは可能ですが、テープ装置などに対し、(単純に)直接保管することができず、 バックアップテープ媒体の遠隔地保管を想定されるシステムでは、不向きかもしれません。

2)については、これがもう少し何とか出来ないものか…って個人的に嘆かわしい思いもあるのですが、 バックアップ処理を何時何分に起動させる・・・といった、商用のバックアップツールでは当たり前のバックアップスケジュール機能が、 Data Recoveryでは使えません。
利用者がバックアップできそうな大まかな時間枠を月~日曜日の間で指定し、1日1回その時間枠の中でバックアップする…といった動作をします。 (バックアップの即時実行は可能です)

3)については、バックアップ前後に起動させたい処理(ミドルウェアの起動停止、監視の抑止 等)を定義することが、 管理画面などで単純に設定することが出来ないといったデメリットです。
一般的な商用バックアップツールでは、 上述のようなバックアップ制御は管理画面などで簡単に定義できますが、VMware Data Recoveryでは、対象の各ゲストOSにログインし、 プリ・ポストスクリプトの設定定義を個別に行う必要がある・・・といった設定上の煩わしさがあります。

今回は、VMware Data Recoveryのメリットばかりを謳い、こんなに使える機能なんですよ、是非使ってみて下さい・・・
って アピールするつもりでしたが、いつの間にか、デメリットばかり訴えてましたね。

とはいえ、こうした機能制約がありつつも、コストパフォーマンス重視で考えれば、VMware Data Recoveryは、 十分なバックアップソリューションとして活用できます。

要は「得手」「不得手」を知ることが大事なのです。限られたIT投資費用の有効活用を考えたときに、制約があっても、 その製品の「制約」をどのようにカバーし、日々の安定したシステム運用に繋げていくか…といったところが大事なのであり、 やみくもに高額で機能満載な商用製品ばかりに手を出すのではなく、システムの要求レベルにあった製品選定、カスタマイズをすることで、 IT投資を必要最小限に抑えつつ、必要なシステム要件を実現出来るわけですね。

次回は仮想化システムの冗長化についてお話したいと思います。