第1回:仮想化ってなに?

インフラのプロが語る!仮想化のススメ

皆さま、はじめまして。
株式会社システムエグゼ インフラソリューション部の土谷と申します。
本年より、「仮想化」をテーマとして、エグゼ通信コラム欄を担当させて頂きますので、宜しくお願いします。

「仮想」ってなに?

「仮想」って言葉の意味について、皆さまは深く考えたことはありますでしょうか。
私は、そこそこ映画好きであったりするのですが、映画の世界などでは「仮想現実」を舞台とした映画がテーマにあげられたりしてますよね。

「マトリックス(キアヌ=リーブスが仰向けにゆっくり倒れながら銃弾をかわす映画)」や、 ちょっと古くて「トータル・リコール(元カリフォルニア知事の目玉が飛び出る映画)」などは、まさに仮想現実の空間をテーマにした映画で、 世間的にも「仮想」という言葉自体は、比較的認知されている言葉なのではないかと思います。

ITの世界においては、この2~3年のIT業界の進展で、「仮想」という言葉はあまりにも急速に、かつ爆発的に広まっていった背景もあり、 IT業界においては当たり前の様に使われている言葉ですが、深く考えてみると、意外と奥の深い言葉であることが分かります。
コラム執筆にあたり、ITの世界における「仮想化」の言葉の意味と辿ってきたルーツを整理してみたいと思います。

「仮想化」の意味とルーツ

私が3度の飯より大好きな(?)Wikipediaから引用しますと、「仮想化」とは「リソースの物理的特性を、 そのリソースと相互作用するシステム/アプリケーション/エンドユーザーから隠蔽する技法。」と書かれています。
何言ってるかイマイチ分かりませんね。

要約すると、1つの物理的なデバイスに対し、そのデバイスを使おうとするシステムやアプリケーション、ユーザからデバイスを隠してしまい、 物理的に1つのデバイスである「制約」を取っ払って扱うことを可能とする技術のことを指します。
つまりは、物理的に1つのデバイスであっても、仮想化の技術を使うと、それが2つ3つにも存在するかのようにデバイスを使えるようになります。

仮想化の歴史は、1972年にIBM のメインフレーム「System/370」で実現されたことが仮想化の歴史の始まりだと言われています。
同じ年に起きた事としては「札幌オリンピックの開催」、「上野公園にジャイアントパンダのランラン、カンカンが来園」、「長州小力 誕生」など 様々な歴史的出来事があった時代から、既に仮想化の技術が使われていました。
(From Wikipedia)

1990年代後半に入り、当時メインフレームで当たり前のように使われていた仮想化技術を、 x86 CPU システム(一般的なIA系サーバ)下で使用できる技術が開発され、VMware社やMicrosoft社から仮想化製品がリリースされるようになりました。
その後、2006年頃から「ホストOS型の仮想化」から、現在のVMware ESXi や Microsoft Hyper-V、Oracle VMなどといった 「ハイパーバイザー型の仮想化」が主流になってくると、次第に、IAサーバの仮想化システムにおいて安定した運用を見込めるようになったことが認知され、 また、ハードウェアスペックの高性能化が後押しし、市場規模が一気に膨れ上がっていった経緯を辿ります。

現在における「仮想化」の意義

かつては、1サーバに対し1OSという考え方が浸透していたわけですが、仮想化技術の浸透がこの規定概念を見事に打ち破り、 1サーバに対し、複数OS(システム)が搭載される構成が多く見られるようになってきました。
結果的に仮想化への推進に成功してきたユーザはサーバ台数と運用コストの削減のメリットを少なからず享受できているのではと考えています。

私としては、IAサーバの仮想化(ホストOS型の仮想化)が認知され始めた当初は、テスト・開発環境くらいにしか使えない技術だと軽く考えていたのですが、 ここまでの市場規模になるとは予想だにしませんでした。

その昔、「これからはIAの仮想化っすよ」って進言してくれた優秀な部下に対し、「アホなこと言うな、操作感が悪すぎて使い物にならないじゃないか。」と、 部下の意見をいつも通りに踏みにじり、UNIXサーバの技術深耕に全力を挙げていた若かりし自分があったことを、執筆しながら思い出しました。


とはいえ、現在では、弊社はVMware ソリューションプロバイダーのパートナーとして、VMwareを中心とした高品質な仮想化システムのご提供させて頂くことはもちろん、 Hyper-V、XenなどのIA系サーバ仮想化や、Solarisコンテナー、IBM Power VMなど幅広い実績と経験を持つ技術者を多く抱えています。
仮想化でお困りのことやご不安なことがあれば、いつでも駆けつけますので、お気軽にお声掛けください!!

次回は仮想化環境におけるバックアップ方式について執筆してみたいと思います。