第4回:SaaS型予算管理製品の特徴(1)

エクセルでの管理会計・予算管理からの脱却

皆様、こんにちは。
「エクセルでの管理会計・予算管理からの脱却」というテーマでコラムを連載しております管理会計コンサルティング部の髙橋です。今回で4回目となります。

7月に入り一気に夏らしい暑さになってきましたね。私は暑いのが大の苦手なので6月後半くらいからはエアコンつけたまま寝ています。
ここで質問です。皆さんはエアコンをつけたまま寝る派ですか?それとも消してから寝る派ですか?もちろん自分の体調や体質に合った形でエアコンを利用していただければいいと思うのですが、中には漠然と電気代のことを気にして我慢している方もいるのではないでしょうか。そんな方の為に、私が以前調べた、エアコンの電気代をお伝えしたいと思います。
案外エアコンだけの電気代は知らない方も多いのではないでしょうか。機種によって多少の差はありますが、7畳の部屋で26℃に設定した場合の1時間当たりの電気料金は10円程度だそうです。これは一晩つけたまま寝て80円程度かかる計算です。私の場合は80円で一晩の快眠が買えるのであれば安いのではないかと思い、このことを知ってからはエアコンをつけたまま寝ることが増えたような気がします。

さて、前回のコラムでは予算管理とクラウドサービスの親和性についてお話しさせていただきました。そしていよいよ今回からは、弊社が特に力を入れて扱っているSaaS型予算管理製品の特徴を、実際に触ってみた感想を交えてご紹介させていただければと思います。今回からは少々技術的な内容も含まれてきますのでご了承ください。紹介する対象の製品は以下の通りです。

【今回(第4回)】
  • Oracle Planning and Budgeting Cloud Service(PBCS)
【次回(第5回)】
  • Adaptive Planning

Oracle Planning and Budgeting Cloud Service(PBCS)の製品概要

Oracle Planning and Budgeting Cloud Service(以降PBCSと記述)はオラクルが提供する管理会計・予算管理のクラウドサービスです。管理会計・予算管理で必要となるデータ入力、他システムからのデータ連携、集計・配賦などの各種計算処理、レポーティング、分析をトータルに実現するサービスです。この「トータルに実現する」というところが非常に大切なポイントで、このサービスのみで予算管理にまつわるすべての要件を満たすことが可能となります。

PBCSの特徴

▶特徴1:高機能なサービスを低価格で利用できる
PBCSはHyperion Planningという、同じくオラクルより販売されている高機能で高価な管理会計・予算管理製品をそのままクラウド環境で提供するサービスです。そのため、製品としてできることはそのままに、クラウドサービス特有の低価格でのサービス利用が可能となっています。予算管理に興味があり、Hyperion Planningについて一度でもお調べになった経験がある方は、PBCSの価格に驚かれると思います。
サービス価格(1ユーザ/1か月) 14,400円(最低10ユーザから)
▶特徴2:使いやすいユーザインタフェース
PBCSではInternet ExplorerやGoogle ChromeなどといったWebブラウザからデータの入力・出力などの各種機能をお使いいただくことができますが、それだけではありません。ExcelをはじめとしたWindows Office製品からも各種機能をお使いいただくことが可能です。これにより今までExcelを用いて予算管理をしていたユーザにも違和感なく乗り換えていただくことが可能です。
加えて、サービスのコンセプトとしてタブレットからの接続を強く意識した作りとなっているため、非常にシンプルでわかりやすい作りとなっています。そのためサービスに初めて触れるユーザの方にもすぐに馴染んでいただくことが可能です。
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▶特徴3:集約・計算などの各種処理が非常に柔軟かつ高速
予算管理を行う際には以下のような集約・計算処理を伴う要望が必ず発生します。
  • 各部署で立てた予算を全社や本部という上位の粒度に集約して見たい!
  • 全社や本部で立てた経費を各部署に配賦して細かく管理したい!
  • 入力した予算と実績のかい離を一目でわかるように表示させたい!
  • 為替変動を考慮した売上・利益シミュレーションを行いたい!
このような、Excelや各種BI製品で実現しようとすると難易度が高く、それなりに時間がかかってしまう要件も容易に実現することができます。
▶特徴4:アカウントさえあれば誰でも自由分析が可能
通常の製品では管理者が作った画面のレイアウトに沿った形でしかデータを見ることができません。もしそれ以外のデータがほしければ管理者にお願いして新しい定型画面を作ってもらったり、情報システム部にお願いしてローデータをもらい二次加工したりというどちらかの方法になるかと思います(実際営業に行って話を聞くとそのような声をよく耳にしました)。BPCSではそのような課題を解決するために、管理者以外の方にも画面に表示させる「行項目」や「列項目」を自由に並べ替えて、独自のグリッド状の画面を作る機能を提供しています。それが自由分析です。Excelのピボットテーブルをイメージしていただければわかりやすいかもしれません。
▶特徴5:強固なセキュリティ

クラウドサービスを利用するということは大事なデータを社外に出すということになります。会社によってはまだまだクラウドサービスを利用することに心配という意見も多いのではないでしょうか。

PBCSはその点でも安心していただけます。PBCSはナショナルセキュリティレベル(米国国防総省/CIA/FBI)が求める高いレベルのセキュリティをクリアしています。セキュリティについての関心が高まってきている昨今、このレベルのセキュリティを自社で構築することは非常に難しいため、いっそのこと自社のデータを安全なところに移す意味でもクラウドサービスは非常に有用だと言えます。

PBCSについてまとめ

PBCSの特徴(長所)はまだまだ挙げ足りないところではありますが、ここでまとめに入ろうと思います。

PBCSは高機能かつ安価でExcelからの脱却を目指している担当者様には非常にお勧めできる製品になります。さらにクラウドサービスとしてのセキュリティ面にも優れており、安心して使っていただける点も評価ポイントです。一方、難点を上げるとすると、できることが多い分、管理者の方に覚えていただくことが多いということです。これはこのサービスに限ったことではなく、何事でもできることが多ければ多いほど最初は苦労するものだと思います。ただしこれは弊社のようなSIerがサポートに入ることでも解決できますし、オラクルから管理者向け動画がYouTubeにアップされていますので、その動画を見て学習することもできます。もしも、今回のコラムを見て少しでも興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。製品デモなども無料で承っております。

今回のコラムも最後までご覧いただきありがとうございました。次回は本日紹介しきれなかった以下のSaaS型予算管理製品についての特徴を、実際に触ってみた感想を交えてご紹介させていただきます。

【次回(第5回)】
  • Adaptive Planning

どうぞお楽しみに。