第6回:脱エクセルのススメ

第6回:脱エクセルのススメ

エクセルでの管理会計・予算管理からの脱却

皆様、こんにちは。
「エクセルでの管理会計・予算管理からの脱却」というテーマでコラムを連載しております管理会計コンサルティング部の髙橋です。今回が最終回なります。

今年も残すところ2か月を切りました。皆様は今年1年どのような年だったでしょうか。私はこのコラムにしてもそうですが、いろいろと新しいことにチャレンジさせてもらった年でした。子供の頃から読書感想文や日記など文章を書くことが好きではなかった私が、このようにコラムを連載するなんて去年までは思いもしませんでした。今回が最終回となりますが是非最後までご覧いただければ幸いです。

今回は、今までのコラム内でお話しさせていただいたことのまとめをしたいと思います。

予算管理の重要性

まず、【予算管理】を一言で表すとあらかじめ作成した「予算」と実績を照らし合わせて企業をコントロールする管理手法のことを言います。今日、日本のほぼすべての企業が何らかの手法によって実施しているといっても過言ではありません。

そもそも予算とは「ある一定期間の組織の目標・計画を数値に落とし込んだもの」のことです。そのため予算には「どのような業務を行うかの指針」「事業の達成度を評価する基準」になるとともに、「会社の方向性を決める」という非常に大事な役割があります。

Excelでの予算管理の落とし穴

コラムのテーマでもある「Excelからの脱却」ですが、今回このテーマを選んだ理由は予算管理をExcelで行っている企業が非常に多いからです。Excelは高機能な関数やVBAによる自動処理の組みやすさにより、非常に柔軟で複雑なシステムを構築することができます。そのためExcelで作られたシステムはユーザにとって使い勝手がよく、日本企業のおよそ80%以上の企業がExcelを使用した予算管理を行っています。

しかしExcelで行う予算管理には大きな落とし穴があります。

1つ目は非効率なシート集配作業が発生する点です。Excelで予算管理を行う以上、データの登録や集計の前後に入力画面の配付や収集のような作業がどうしても発生してしまいます。これにより担当者が多ければ多いほどファイルの受け渡しに時間が割かれてしまいます。また、組織変更や予算の予算管理の粒度変更などにより一度配った登録画面に修正を加える必要が生じた場合、全担当者への配り直しが必要となります。

2つ目は予算のバージョン管理が煩雑になってしまう点です。予算管理にはバージョン管理が欠かせません。例えば期初に行う「当初予算」、半期で行う「修正予算」、その他にも「ベストケース」「ワーストケース」など様々のタイミング・用途で複数バージョンの予算を策定するのが一般的です。しかしExcelのみでこのバージョン管理を行おうとした場合、複数のシートを管理することになります。これにより意図せぬデータの不整合や、担当者内でのExcelの二重管理など様々な問題が発生する可能性があります。また、Excelにはデータの変更履歴を追うような機能が基本的にはないため、誰がどのタイミングでデータを変更したかの把握や、ある時点のデータへ切戻しを行うことも非常に困難になります。

クラウド型予算管理パッケージのススメ

Excelで行う予算管理に落とし穴があることは前項でお話しさせていただいた通りです。では現在、どのような予算管理が主流なのでしょうか。結論から書かせていただきますとクラウド型の予算管理パッケージが凄まじい勢いで伸びて来ています。

クラウド型予算管理パッケージの利点は以下の通りです。

①利用料が安価
予算管理業務はお金をかけることによる投資対効果(ROI)の算出が難しいことから、どうしても投資の順番が後ましにされがちです。そのため安価にシステム化することができるということは非常に大事な要素になってきます。その点クラウド製品は自社で固定資産を持つことがないため、オンプレミスで予算管理システムを構築する場合のサーバ購入費や、購入後のサーバ維持費などが発生しません。これは、経営者に導入を最終的に認めてもらう上でも非常に大きなアドバンテージになるようです。
②システムの運用が比較的簡単
予算管理業務では未来の数値を扱うことになるため、勘定科目や組織の構成が必ずしも現状のものと一致するとは限りません。来年度の予算を立てる際には、組織やその他セグメントを来年度用のものに切り替える必要があります。そのため実績を管理するERPシステムと比較すると科目のメンテナンスが頻発し、予算を管理する部門(経営企画部、経理部など)である程度柔軟に変更を加える必要があります。その点クラウドサービスではサーバを自社で持つ必要がないため、システムを管理するにあたってインフラ周りの知識が不要になります。そのためシステムを管理するにあたりSIerやIT部門を介さず、予算管理の担当者レベルで運用していくサービスモデルが多い傾向にあります。

主なクラウド型予算管理パッケージ

Excelでの予算管理の問題点、クラウド型予算管理パッケージの利点をお話しさせていただいたところで、次は弊社がお勧めするパッケージを紹介させていただきます。これは実際に提案/導入する機会が多い製品や、提案の際によく競合として名前が挙がる製品をピックアップしてあります。

①OraclePBCS
OraclePBCSは弊社の中で一番多く導入した実績がある製品になります。この製品の最大の特徴は製品としての歴史が非常に長く安定しているところです。クラウド型パッケージは近年急激に成長してきました。そのため機能面で優れていてもまだまだ歴史の浅い製品が多い傾向にあります。その点PBCSはオンプレミス版予算管理製品であるHyperionPlanningの機能をそのままクラウドで実現したパッケージですので、非常に安定性があります。PBCSについては第4回コラムで詳細に紹介させていただいておりますので、興味がある方はそちらもご覧ください。
②AdaptivePlanning
AdaptivePlanningはまだ日本での知名度はそれほど高くありませんが、欧米で非常に人気があり、近年日本でも導入する企業が爆発的に増えてきている製品です。この製品の最大の特徴は他の予算管理製品と比較して非常に綺麗なダッシュボード機能です。予算管理製品はただ予算を入力できればいいというわけではありません。予算進捗や実績対比などの分析データを綺麗にわかりやすく出力することも非常に重要な役割になります。AdaptivePlanningについては第5回コラムで詳細に紹介させていただいておりますので、興味がある方はそちらもご覧ください。
③Tagetik
Tagetikは最近日本で営業を開始した非常に新しい製品になります。ただし欧米では30年以上の歴史があり、製品としての信頼性は折り紙つきです。この製品は何と言ってもお客様満足度が非常に高いというところが最大の特徴です。中でも予算管理の全体のフローや組織ごとのフローを統合的に管理し、ユーザにとって必要な業務をわかりやすく表示させるワークフロー機能は他の製品にはない強みだと思います。このワークフロー機能により予算管理業務の流れが一目でわかるため、業務を属人化させることなく、高度な予算管理が可能となります。

最後に

今回のコラムで言いたかったことを一言でまとめると「企業にとって大切な予算管理業務をExcelのみで行わず、いろいろな利点があるクラウド型予算管理パッケージで実現してみてはいかがでしょうか」ということになります。少々長い一言になってしまいましたが、私の話したかった内容はこれに尽きます。少しでも考えることがあった方は気軽にご相談ください。何かしらご相談に乗れることがあるかと思います。

今年の1月より全6回にわたり投稿させていただいたコラム「エクセルでの管理会計・予算管理からの脱却」。いかがだったでしょうか。このような連載をするのは初めての経験だった為、読みづらい点もあったかと思いますが、最後までご覧いただき本当にありがとうございました。