第2回:RPAとは何か?

RPA導入の勘所

皆様こんにちは。新ビジネス推進室の國元です。

前回のコラムでは、RPAが注目されている理由を、技術革新の歴史を振り返りながらお伝えしました。今回は「RPAとは何か?」と題して、押さえておきたいRPAの基本をご紹介したいと思います。



RPAでできること

「RPAを導入する」と言うと、「えっ?ロボットを買うんですか!?」と驚かれてしまうという話をよく聞きます。RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、「ロボット」という単語が使われているので無理もありませんが、RPAは産業用のロボットやアンドロイドでもなければ、会話をしてくれるコミュニケーションロボットでもないです。

RPAとは、端的にいうと「ソフトウェアのロボット」です。

今までの単純なプログラミング言語によるシステム化とは異なり、ルールエンジンやオブジェクト(画面上のアイテムや画像)などを認識したり、自分がPC上で行った操作を自動的に記録してくれる機能を備えたソフトウェアが「RPA製品」と呼ばれます。

RPA製品を利用してパソコン操作を記録すれば、自動的に実行できるようになります。つまり、パソコンやサーバーの操作はもちろん、ルールに基づいた定型作業の自動化が実現します。ソフトウェアロボットなので、正しく教えれば絶対に間違いがなく、人間が操作するよりも正確で高速な処理ができます。それが、RPAが大量の反復処理や正確性が求められる事務作業に非常に向いているといわれる所以です。

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RPA製品導入の具体例

はじめに、ほとんどのRPA製品に付属している設定ツールを利用して、普段の手作業で行う手順通りに一連の操作を記録したロボットを作成します。作成したロボットを管理サーバーなどに配備して自動実行のタイミングを設定すれば、以降はその業務はロボットが自動的に行ってくれるようになります。

たとえば、5人が必要なルーティンワークがすべてロボットによって自動処理できるようになれば、RPA導入後はロボットが実行した作業内容の確認者が1名いれば済むので、4人分の工数が削減できる、ということになります。

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どんな操作が自動化できる?

RPA製品によって多少の違いはありますが、一般的には下表のようなものが自動操作可能です。たとえばデータベースの直接操作に対応している製品は、データベースに接続して直接SQLを発行して変更や登録ができます。ホストのエミュレーターがあれば、それを介して操作することもできます。

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どんな業務に向いている?

では、RPAは具体的にどのような業務に向いているのでしょうか。

すでにシステム化できている業務はもちろん、システム化したいにもかかわらず諦めているような業務に向いています。たとえば、業務のボリュームが少なかったり重要度が低い業務です。また、ロボットは複数のシステムに跨がって操作することができるので、個々にシステム化されているものを複数操作しないと完結しないような業務にも向いています。本当はすべてを統合して一つのシステムに集約したいけれどコストがネックで実現できないものは、RPAの導入で解決することができます。

RPAは正確性が問われるものや操作が面倒で時間がかかるような業務に向いている一方、向かないものもあります。それは操作が機械的にルール化できないもの、つまり、人間の経験や勘が必要な処理は、RPAでは自動化することができません。

次回のコラムでは、RPA導入前後のイメージを具体的な活用例を挙げながら比較してみたいと思います。