Oracleエラー対応(ORA-03113):ORA-03113発生時の調査方法について

現役DBAが解説-Oracleエラー対応

クライアントからOracleインスタンスに接続する際、様々な要因によってORA-03113が発生することがあります。

本記事ではORA-03113発生時の調査方法について解説します。

1. エラーメッセージ

ORA-03113: 通信チャネルでend-of-fileが検出されました
プロセスID: XXX
セッションID: XXX、シリアル番号: XXX

クライアントがOracleインスタンスに接続すると、クライアントとサーバプロセスの間にTCPセッションが確立されます。
クライアントとサーバプロセス間のTCPセッションが切断された場合に、ORA-03113エラーが発生します。

2. 要因・調査方法

ORA-03113はクライアントとサーバプロセス間の切断によるものなので、下記のように様々な要因が考えられます。

<サーバプロセスの異常終了>
・サーバがクラッシュした
・サーバプロセスがOSレベルでkillされた
・Oracleの内部エラー
・データベースリンク先のデータベースが停止していた

<ネットワーク通信の問題>
・LANケーブル抜線や破損
・ネットワークの瞬断

このため、問題を切り分けしながら調査を進めていきます。

①エラーの再現性を確認

まずはエラーが再現するかどうか確認します。
再現性が無い場合にはログからの調査のみとなるため、原因を特定できない場合があります。

②付随して発生しているエラーがないかの調査

様々な要因から原因を特定するために、付随して発生しているエラーがあるかを確認します。
・アラートログの確認
・クライアント側のエラーの確認

③データベースの状態確認

データベースは正常な状態であるか、エラー発生時にデータベースが停止していなかったかを確認します。
・データベースが正常に起動しているか
・再起動された形跡がないか

④ネットワークの状態確認

ネットワーク障害に起因した可能性が無いか確認します。
・LANケーブルに物理的な問題がないか
・データベースサーバから同じ処理をした場合に再現するのか
・別クライアント環境からの接続で再現するのか

⑤他システム側の障害

データベースリンクを使っている場合には、他システム側の障害が原因で発生している可能性があります。
・特定のデータベースリンクでのみ発生する問題ではないか
・データベースリンク先の他システムで障害が発生していないか

⑥SQLの確認

その他にも、実行しているSQL文が長文である場合や、SQLを実行して取得したデータ量が多い場合にも発生することがあります。
・SQL文を短くして再現するか
・Where句で対象データ範囲を絞っても再現するか

3. 最後に

本エラーは発生要因が多数あるため、1回だけしか発生せずエラーに再現性が無い場合は、原因を調査することが難しくなります。

まずは再現性があるのかを確認し、さらに同時に発生しているエラーがあれば併せて確認するなど、問題を切り分けていくことが原因特定の近道です。