Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud 性能検証~アッシュバーン/東京リージョン負荷比較~

技術者が語るOracle Cloud

初めに

皆様、こんにちは。データソリューション部の大黒です。
Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud (以下、ADW Cloud)について、ベンチマークツールによる負荷検証を実施しました。
以前にADW CloudとAmazon RedShiftとの負荷比較検証も行いましたが、今回はADW Cloudのリージョン別での負荷比較となります。

本記事は、Oracle社やコミュニティサイトなどのWeb情報を元に検証環境を準備し、検証した内容となります。
クラウド全般的に言える内容ではありますが、クラウド環境は日々改善や機器増強され、性能面の強化などが頻繁に発生しています。
その為、本記事の検証結果は同様に実施した検証と異なる可能性がございますが、ご容赦の程宜しくお願いします。
 ※本内容は2020年1月に検証した内容となります。

前提内容

  • 検証は弊社のネットワーク環境からADW Coludに接続して検証しました。また検証は全て同じ端末を使用し実施しています。

  • 各検証はTCP-DS(※)ベンチマーク方式で実施しました。
    (※)TCP-DS:データ処理エンジンのパフォーマンスを評価する目的で広く使用されている、業界標準の意思決定支援ベンチマーク

  • 単一処理用(Low)・並列処理用(Medium)の2種類のコンシューマグループで同じ内容の検証を実施しました。
    Lowは単一処理のみですが、Mediumは単一処理と並列処理の自動切替です。

  • 検証データは各リージョンにおいて全て同様のデータを使用しました。
    Swingbench(※)で生成したデータをDatapumpでエクスポートし、各検証環境にインポートさせました。
    (※)Swingbench : Oracle用に負荷掛け設計されたベンチマークツール

ベンチマーク検証の概要

以下、ベンチマークに関する検証内容となります。

【全体】負荷テスト実施環境の概要図

oraclecloud_ash.png

【全体】負荷テスト検証項目

No. 検証概要 検証実施日
1 トランザクション数(完了件数) 2020/1/14
2 平均レスポンス時間 2020/1/14
3 最小レスポンス時間 2020/1/14

他にも1秒あたりの平均トランザクション数や、最大レスポンス数、長時間実行時の完了トランザクション数なども検証しましたが、特に違いがわかりやすい3項目を今回ご紹介します。

ベンチマーク検証結果

以下、各項目の検証結果となります。

【No.1】トランザクション数(完了件数)

■ 検証結果

コア数:1 データ容量:1GB 実行時間:5分

oraclecloud_No1_1.jpg

コア数:2 データ容量:1GB 実行時間:5分

oraclecloud_No1_3.jpg

コア数:1 データ容量:10GB 実行時間:5分

oraclecloud_No1_2.jpg

コア数:2 データ容量:10GB 実行時間:5分

oraclecloud_No1_4.jpg

■検証結果の考察

1coreの場合、セッション数が多くなると、LowよりもMediumの方が、トランザクション完了件数は多くなりました。
しかし2coreになると、Lowの方がMediumよりもトランザクション完了件数は多くなる結果となりました。
またデータ量を増やした場合、完了件数は少なくなる結果となりました。
このことから、リージョンでの大きな差は見られないが、扱うデータ量やセッション数などを考え、core数を検討する必要があると考えられます。

【No.2】平均レスポンス時間

■ 検証結果

コア数:1 データ容量:1GB 実行時間:5分

oraclecloud_No2_1.jpg

コア数:1 データ容量:10GB 実行時間:5分

oraclecloud_No2_2.jpg

コア数:2 データ容量:1GB 実行時間:5分

oraclecloud_No2_3.jpg

コア数:2 データ容量:10GB 実行時間:5分

oraclecloud_No2_4.jpg

■検証結果の考察

基本的にセッション数が増えると平均レスポンス時間が増える傾向となります。
またデータ容量に関わらず、2coreのMediumにおいて、平均レスポンス時間が増えており、No.1と同様に、データ量、セッション数に応じた環境の検討をした方が良いと考えられます。

【No.3】最小レスポンス時間

■ 検証結果

コア数:1 データ容量:1GB 実行時間:5分

oraclecloud_No3_1.jpg

コア数:1 データ容量:10GB 実行時間:5分

oraclecloud_No3_2.jpg

コア数:2 データ容量:1GB 実行時間:5分

oraclecloud_No3_3.jpg

コア数:2 データ容量:10GB 実行時間:5分

oraclecloud_No3_4.jpg

■検証結果の考察

最小レスポンス時間では、リージョンにより大きな差が見られました。
理由として考えられるのは、接続までに要している時間がアッシュバーンで多くかかっているということが考えられます。
10GBでのMedium環境にて、非常に大きな数値が出ており、この結果について今後調査が必要だと考えています。

最後に

今後は、今年1月末に開設されたばかりの大阪リージョンや、OracleのAlways FreeによるADW、ATP(Autonomous Transaction Processing)などの検証を別途検討していますのでお楽しみに!

最後になりますが、弊社は「データベースのオールマイティ企業」を謳っており、データベースに関する経験や知識、技術力を自負しています。
データベース関連での課題解決等、必ずやお客様のお役に立てると信じていますので、何かございましたら弊社へご連絡下さい。