第4回:最終回

DBAへの道

皆さんこんにちは。株式会社システムエグゼ データベースソリューション本部の藤林です。
いよいよ年の瀬も押し迫ってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
前回に引き続き「DBAへの道」というタイトルで、今まで私がORACLE DBAになるために歩んできた過去の経験を、お話しして行きたいと思います。

Oracle環境の運用!開発コストと運用コスト

パフォーマンス劣化に対するお客様への報告を行って間もなく、OPS(Oracle Parallel Server)環境にて発生しているパフォーマンス問題について、日本オラクルより回答を頂きました。
詳細な情報はこちらでは言及できませんが、やはりOPS環境固有の問題で、システムの負荷が高くなると、ある待機イベントが発生し、この待機イベントが解消されずに、どんどんパフォーマンスが悪化していくという物でした。
但しハングをしている状態ではなく、少しずつ処理が行われている状況で、非常にやっかいな状態です。
対策としては、ある待機イベントへ遷移する時間を遅らせる事により、今回の現象が回避できるのではないかという見解です。
しかしながら、データベース側での対応も限界があるため、アプリケーションプログラムのチューニングも合わせて実施する事を提案されました。
今回の修正が入ったパッチが数週間後に提供される予定となりましたので、このパッチの効果を計るため、テスト環境にて検証を実施する事となりました。何とかこれが最後の検証となれば...と祈りつつ検証テストに懸けました。

実はこのような解析作業などを実施している間も、様々な問い合わせが来ます。パッチを適用したら、データベースが起動できなくなった、パッチの適用時にエラーが発生する、REDOログファイルが大量に作成される...など。
大きなシステムになると、様々な方が様々な作業を実施しています。150台を超えるサーバを運用するためには、かなりの要員が必要となるはずです。
しかしながら、システム開発時に大きなコストがかかってしまい、どうしても運用コストを削減せざるを得ない状況が実情です。
運用要員を提案する際にも、コストが抑えられれば、それなりのスキルを持った要員しか提案できなくなり、しっかりとした運用ができなくなってしまいます。最終的に損害を被るのがお客様となってしまい、しかもロースキルで投入された要員も、大変な思いをして運用を実施しなければならず、誰もが不幸となってしまいます。
システム開発を計画する際には、その後の運用コストまで合わせて是非計画をして頂きたいと、運用をする側の人間として切に願います。

新たな環境へ!本当に役に立つものとは

ORACLE担当としての運用業務を終え、今度はORACLE環境を構築する側となりました。これまでの運用で身についたスキルを元に作業を行う事となります。今回はWindows環境です。しかもClusterソフトが入っているHA環境です。HAの場合はActive/Standby構成となりますので、共有ディスクにデータベースのデータファイルを配置する必要があります。
OPS環境に比べれば、シングルインスタンスは簡単と思っていましたが、Windows環境は初めてなので、正直結構戸惑いました。
『まず稼動系でプロダクトのインストールおよびDBの作成を実施です。
待機系でもプロダクトのインストールを実施し、DBの作成は...と、既に共有ディスクにDBが出来ているので、この作業は不要でした。でもデータベースを作成しないとserviceが作成できない...』

UNIX系でしかORACLEの経験が無い私には、Windows系は未知の領域です。でもWindowsなので、正直甘く考えていました。
皆様ご存知の通り、UNIX系と大きく変わるのが、UNIXはプロセスが実行されるのに対し、WindowsはServiceで起動されます。
インストールマニュアルを良く見てみたところ、ありました。oradimコマンド。これでサービスを作成できそうです。やはりマニュアルは事前にしっかり確認しなければいけませんね。

WindowsはserviceでORACLEが起動されますが、pmonとかsmonとかの個々のプロセスのActivityは確認できません。これだとパフォーマンス問題が発生した際に、何のプロセスで問題がでているのかをOS側から見ることができません。
色々マニュアル等を調べてみると、Windowsはスレッドで管理されている事がわかりました。これでOS側からの情報採取はできそうです。これまでの運用経験を...何て言っておきながら、あまり役に立っていないみたいです。やっぱり人生一生勉強かなとしみじみ思いました。現在も新しいバージョン・OSで四苦八苦をしている毎日です。

DBAへの道は今回で最終回となります。最後までお付き合い頂まして誠にありがとうございます。つたない文章でどこまでお伝えできたかわかりませんが、皆様のスキルアップのための参考のひとつとさせて頂ければと思います。

末筆ではございますが、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

終