同一ベンダへのデータベース移行
システムを運用していく中でサーバーやデータベースのEOS、EOLにより移行が定期的に発生したり、コスト削減などの観点でオンプレミスからクラウドへの移行する作業が発生します。
移行パターンとして停止時間が十分に確保できる場合には、データベース機能を用いて低コストに。停止時間が短時間であったり大規模なデータ容量の場合には移行ツールを用いて移行作業を行います。
移行パターン①
エクスポート/インポート
停止時間が十分に確保できる小規模データベース向き
- データベースの基本機能であるエクスポート/インポートを用いて移行作業を実施します。
- 事前作業として、オンラインでオブジェクト定義のみをエクスポート/インポートで移行します。
- 移行当日にAPサーバーの処理を停止し、データをエクスポート/インポートで移行します。

メリット | データベース機能での移行になるため、コストをあまりかけずに小規模なSI作業費のみで実施可能 |
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デメリット | システム停止時間が長時間必要(エクスポート⇒転送⇒インポート) |
移行パターン②
バックアップリストア
停止時間があまり確保できない中規模データベース向き
- データベースのバックアップ/リストア機能を用いて移行作業を実施します。
- 事前作業として、オンラインでフルバックアップをリストアし初期移行を行います。
- 移行当日までは定期的に差分バックアップを取得してリカバリを行います。
- 移行当日にAPサーバーの処理を停止し、直近の差分バックアップをリストアして移行します。

メリット | バックアップ/リストア機能での移行になるため追加ライセンス無しで移行可能 差分移行の頻度を短くすることでシステム停止時間を大幅に短縮することが可能 |
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デメリット | 移行当日まで手動定期差分移行作業または自動化スクリプト開発によりSI作業費がかかる |
移行パターン③
移行ツール
ミッションクリティカルな大規模データベース向き
- 移行ツールを用いてレプリケーションすることで停止時間を最小限にして移行します。
- 事前作業として移行ツールの導入を行い、初期同期を行います。
- 移行当日までは差分データをレプリケーション機能により定期的同期します。
- 移行当日にAPサーバーの処理を停止し、レプリケーションの滞留が無いことを確認して移行します。

メリット | 大量データの移行であっても最小限の停止時間で移行することができる テーブル単位でレプリケーションが可能であるため、特定のテーブルは移行対象から除外など柔軟な移行が可能 |
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デメリット | 移行ツールを導入するため追加ライセンス費用が必要になる |
移行ツール比較
Attunity Replicate |
Oracle Golden Gate |
SharePlex |
|
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対応データタイプ |
一部データ型が非サポート(BFILE,ROWID,UROWID,REF,Nested Table,ユーザ定義型,virtual columns) |
全データ型をサポート |
一部データ型が非サポート |
対応データベース |
サポートされているデータベースが豊富(Oracle/MySQL/SQL Server/PostgreSQLなど) |
サポートされているデータベースが少ない(Oracle/SQL Server/MySQLなど) |
Oracle間のみサポート |
監視 |
GUIにより監視可能 |
オプション製品のGoldenGateMonitorを導入すればGUIにより監視可能 |
CLIにより監視可能 |
障害時リカバリ (Full Load再実行等) |
GUI上からテーブル、またはスキーマ単位で再ロードを容易に実⾏可能 |
ジョブの再作成、Trailファイルの編集、データの再ロードが必要 |
プロセス停止、データの再初期以降等、複数のコマンド実⾏が必要 |
システムへの負荷 |
DBサーバ上でプロセスを実⾏しない為、システムへの負荷は最低限 |
DBサーバー上でプロセス実⾏、Trailファイルを出⼒するため、負荷がかかる |
DBサーバー上でプロセス実⾏され、現行DBに負荷がかかる |
本番環境への影響度 |
・本番DBにエージェントのインストールは不要 |
本番DBにGolden Gateのインストール、設定が必要 |
本番DBOracleClient/SharePlexのインストール、設定が必要 |
ライセンス体系 |
・ライセンスは移行元のみ |
・ライセンスは移行元・先で必要 |
・ライセンスは移行元・先で必要 |
他ベンダへのデータベース移行
システムにおいてデータベースのコスト割合は非常に大きいため、最適なデータベースを選択することがコスト削減のポイントとなります。しかし、他データベースへの移行は安易にできるものではなく、難易度は現行システムの作りによって様々です。
弊社では事前に移行プロジェクトの失敗や本当にコスト削減が実現できるのかをアセスメントをすることを推奨しております。
システムエグゼ独自の性能試験
社内ベンチマーク結果(OLTP)

社内ベンチマーク結果(バッチ)

他データベース移行時の考慮点
- データ型の変更
- オブジェクトの変更
- ストアドプログラム・アプリケーションの改修
- 運用の見直し
- パフォーマンス検証
- 連携システムへの影響調査
事前にアセスメントを実施し、移行難易度、想定コストを算出!