第2回:ベトナム出張で感じたこと

よくわかる生産管理

みなさんこんにちは。生産管理第2回のコラムとなります。間が空いてしまいましたが、今回のコラム作成もベトナム訪問で感じたことをお届けします。
私が直近でベトナムへ行ったのは2月頃のベトナム北部で、気温15度前後で、とても過ごしやすい気候でした。ベトナムの印象としては、一年中暑くて、暖房いらずと勝手に思っていましたが、北部だと夜になるとかなり冷え込み、暖房がほしくなります。この季節だと現地の人々も暖かい恰好でダウンを着込んで寒い寒いと言いながらバイクに乗っています。日本人にとっては、日本の1月~3月に比べればはるかに暖かくて住みやすそうです(笑)

さて、今回のコラムでは、前回の続きで、海外工場でのシステム導入時にどのような課題を抱え、どのように解決すればよいのかを書いてみたいと思います。
今回は、お客様からよく聞く「人」の問題について、具体的な課題をいくつか挙げてみます。

  • システム担当を任せられる人がいない
  • システム利用について教育出来る人がいない
  • 現地スタッフがどこまで使い切れるかわからずに、多額の投資にリスクがある
  • トラブルが発生したときに、メーカーにすぐに対応してもらえるか心配

特に、システムの面倒を見る人がいるかどうか、誰が面倒を見るのか、を悩まれているお客様の声を多く聞きます。

どのようにこれらの問題を解決しているのか

・システム担当を任せられる人がいない

海外現地にシステムを理解できる担当者を置くことはすごく難しく、かつ手間がかかることです。生産コストダウンを狙って海外に行くケースについては、システムの面倒を見るために日本から人を送り込むのは本末転倒なことです。日本国内から遠隔で面倒を見る、システムの面倒をアウトソースで任せる、このいずれかになる場合が多いようです。
自社内のみで現地の事情を遠隔で補うことは非常に難しいため、面倒になりがちであり、システム導入に躊躇することが多くなります。

・システム利用について教育出来る人がいない

システム利用するユーザはほとんどの場合、現地スタッフになります。日本人は管理する側であり、オペレーターを務めるケースはほとんどありません。そうなると、日本語を理解できる現地スタッフを雇うか、現地語で教育を行うかのいずれかになるかと思います。日本語を理解できる現地スタッフについては、システムの理解だけでなく、現地工場のキーマンとなり得る人材として雇われることが多いため、重要な役職(リーダー)として扱われます。そのため、非常に忙しく、システムの面倒まで見る手間が無いのが実情です。また、そういった人材は人件費の高騰につながりますので、何人も雇用することは難しくなってしまいます。(一例として、日本語が話せる人と話せない人では、2倍近く給与の差が出る場合もあります)そうなると、現地の言葉で教育し、現地の言葉で使えるシステム/マニュアルで、担当者が理解してシステムを使うことが望ましいことになります。

・現地スタッフがどこまで使い切れるかわからずに、多額の投資にリスクがある

日本ではインターネット環境が整備されており、すでに何らかのシステム(Webサービス等)を利用して業務を行っているケースが多いので、システムを使う・利用することにユーザは慣れています。しかし、海外ともなると、インターネット環境が急速に広まっているとは言え、業務上でシステムを利用しているケースは稀です。特に中小企業の海外工場となるとあまりシステム化はされていません。Excelを使った情報管理を行っているケースに留まるのではないでしょうか。私も工場立上げ当初の生産量がそれほど多くない時期であれば、Excelでも十分業務をこなせる!とは思います。しかし、徐々に生産量が増え管理する情報量が多くなり複雑化してくると、個人単位での情報管理レベルでは、限界が訪れてしまいます。かといって、大金をはたいて買ったシステムが現地スタッフでも使いこなせるのかを不安に思い、システム導入を控えているケースも多いようです。
そんな時は、必要最低限の部分からシステム化を進めてはいかがでしょうか。まずは、受発注管理から始め、在庫の管理、工程の管理から、MRPによる最適な計画生産まで、一気にシステム化を進める必要はありません。現に、弊社製品を導入いただいているお客様でも受発注管理から初めたりと、徐々にシステム化範囲を拡大していくお客様は、導入件数全体の40%を占めています。
徐々にシステム化を進めることで、システムに慣れていない担当者でも、習熟度に合わせてシステム化範囲を拡大していくことが出来ます。

・トラブルが発生したときに、メーカーにすぐに対応してもらえるか心配

前述の通り、日本人担当者の不在や、キーマンとなる現地スタッフの育成が困難な状況であり、現地にシステムの面倒を見る人を置けないとなると、トラブルが発生した時の対応をどのようにすれば良いか、という不安について自社内だけでこの問題を解決するのが非常に難しくなります。その場合は、メーカーに頼らざるを得ないわけですが、現地でのサポート、さらに現地語でのサポートとなると可能なメーカーは限られてしまいます。
しかし、最近は特にクラウドサービスによる利用を検討するお客様が増えており、現地にサーバを置かないことで、自社でシステムを管理する必要が無く、またトラブルが発生した場合もメーカー側は遠隔で保守をすることが出来ます。そして、海外現地のサポートが可能なメーカーを選ぶことで、メーカー側に現地語が話せるスタッフがいれば、教育はもちろん、トラブル時の対応も迅速に行うことが出来ます。

そんな悩みを解決する1つの方法

上に挙げた課題は一例であり、すべてのケースが当てはまるとは限りませんが、弊社製品「エグゼクス生産管理」も、海外でシステム導入を考えていらっしゃる方に向けた様々なサービスを取り揃えています。クラウドサービスや海外現地での教育、保守サポートまで、利用ユーザに安心していただける環境を整えています。特にベトナムやタイには現地サポート可能な拠点を備えています。それ以外の地域でも、パートナーによる現地サポートが可能な場合もありますので、ご興味のある方は是非ご一報ください。システム選びの一助になれば幸いです。

ただし、忘れてはいけない一番大事なことは、システムは一つの道具に過ぎず、使う人によって有益ともなりますが、無益なものとなる恐れがあるということです。何にでも言えることかとおもいますが、最後に物をいうのは、何かを成し遂げようとする担当者の「情熱」であると、現地ベトナムでひしひしと感じています。

我々も熱意を持って、お客様と一緒にシステム導入の手助けをさせて頂いています!